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『最後のゼミのあとで』レビュー:9時の消灯
ホワイトボードのインクはまだ乾いていない。
それが『最後のゼミのあとで』が最初に気づかせることだ。プロローグより優れた導入だと思う。誰かが数分前に小さく丁寧な丸を描いて出ていき、あなたはほとんど間に合わなかった。そこからゲームは声を荒らげない。濡れたマーカー、斜めの折り畳み椅子、大学院棟でまだ回っているプロジェクターのファンだけから緊張を作る。雷雨や弦楽器で空気を演出するVNは多い。この作品は、残されたハム音のある静寂を使う。
設定はカード一枚に収まる。平日夜、9時。最後のゼミが終わり、机のHDMIケーブルを片付けるためTAのあなたが残っている。それは今夜、あなたの仕事だからだ。そこへ『最後のゼミのあとで』は一つの台詞を渡し、一つのルート全体を担わせる。
「明かりを消しに来て」
仕掛け
ヘユンは27歳の既婚講師で、指輪のある指にオフィスの鍵を掛けて戸口に立つ。五つの言葉で、ゲーム全体がケーブルのように張り詰める。文字どおりなら照明の指示。それ以外の意味なら誘い。実際に聞いたのがどちらかを、仕掛けは教えない。残りの時間、あなたは決め続ける。
その後のエレベーターが蝶番になる。鏡の扉、二重になる彼女の姿、夜が静かにキャンパスでなくなる中で増える階数。彼女の階で扉が開く頃には、休講という言葉は夜の説明ではなく、夜を隠す口実になっている。
登場人物を近くで見る
ヘユンは優しさすれすれの抑制で描かれる。ゲームは指輪を忘れさせない――指輪が鍵を支える――が、夫を悪役にも仕立てない。彼は学会にいる。そっと言及され、そっと脇へ置かれる。その扱いが恋をメロドラマにしない。これは藁人形を裏切る話ではなく、欲望の話だ。
細部は飾りではなく人物描写だ。蛍光灯の光が染み込んだようにシルクのブラウスが輝く。空にされる部屋で彼女が最も明るい存在だと告げる描写だ。ホワイトボードの丸は指輪をする手のように正確で、彼女がいなくても日常を残す。
語り手は人格ではなく存在として置かれる。それが正しい。一人称なら、あなた自身が憧れを差し出す。ゲームが渡す雑用の一つ一つが、彼女についての決断だと分かってくる。
緊張の仕組み
巧いのは、選択がすべて段取りの言葉で書かれていることだ。今ケーブルを巻くか、AV作業を朝に残すか。外のドアを施錠するか、必要以上に一瞬長く押さえるか。TAの仕事を終えるか、した瞬間にキャンパスでなくなる廊下を彼女について行くか。このゆっくり燃えるキャンパスの恋は、欲望と書かれたボタンを出さない。仕事を待たせてよいかと聞き、答える速さで自分を知ることになる。
オフィスの手前での暗転は制約ではなく、仕組みの妙だ。ファンの音、鍵、止めた息。ゲームが言いたいことはすべて切り替わる前の秒数に語られる。そして最後の、再び空になった教室――公式には存在しなかった授業――が、紙の上では起きなかった夜として全体を捉え直す。
楽しむなら
夜遅く。ヘッドホン、一つのランプ、伏せたスマホ。音響はほぼ静寂だ――プロジェクターのファン、エレベーターの低い音、誰も整えなかった椅子を擦る音――暗い部屋にふさわしい。外の雨があれば助けになるが、必須ではない。
一気に遊ぶのも大切だ。短い時間、意図的なテンポ、台詞と同じだけ仕事をする間。声に出して説明できる理由もなく授業後に残ったことがあるなら、このゲームは鏡になる。扱いには注意を。続きを求めるなら、わざと残された別の鍵についての私たちの物語が、あまりにもよく寄り添う。
最終判断
分岐は控えめで、選択は結果より雰囲気に寄る。ルート表を目当てに来る作品ではない。だが雰囲気として、技巧として、二人の大人が誰にも説明しないと決めた半時間の観察として、ほぼ完璧だ。沈黙を信じ、読者を信じ、示唆を出し惜しみと取り違えない。
すでにキャンパス系ビジュアルノベルを見ているなら、棚の最上段に置いてほしい。評決は、明かりを消して遊べ。最初からそれが指示だった。

After the Last Seminar
The last seminar is over. A married lecturer sets down the lab key and turns. “Come turn the light off.” Take the elevator and the night is just an empty classroom.
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